おろしや国酔夢譚

 
井上靖『おろしや国酔夢譚』を読みました。(Amazon.co.jpにリンク)

素晴らしかったです。井上靖の長篇は初めてですが、するすると読める筆致で、情景が浮かんでくる。よく調べてある(らしい)。

伊勢白子から出帆して時化に遭って漂流し、はるばるアリューシャン列島の小島にたどり着いてから、いろいろなことがあって、ペテルブルクの女帝エカチェリーナ二世に謁見し、帰国を許され、10年の時を経て日本に還り着いた大黒屋光太夫の物語。

途中で亡くなった人たち、ロシアに残ることを選んだ人たちがいます。それが物語に、えも言われぬ陰影を与えています。

昨日読み終わったわけですが、昨日は癸丑(みずのとうし)の日。奇しくも大黒屋光太夫が江戸にたどり着いたのは1793年で、癸丑の年! まぁ、たまたまですけど。。

とにかく、久しぶりに、しっかりした物語を読んだー、という気がしました。

ラックスマンという人が出てきます。何やら日本史で習った名前だぞ?という人です。こうして物語で読むと、名前だけ知っている人が血肉をもって現れてきますね。この人に出会わなかったら・・・という重要人物。

そもそも、大黒屋光太夫が漂流しなかったら、日本の歴史、ロシアの歴史、世界の歴史が、大きく変わっていたでしょう。それほど大きいことだったということも、今回初めて知りました。

で、このエカチェリーナ二世という人が凄い人で・・・それは本篇に譲るといたしましょう。でも一つだけ。ドイツ人なんですね。ロシア人だと思ってました。

ほとんどがシベリアを中心とした寒いシーンで、「夏休みの読書」としても最適でした。

もう少し大黒屋光太夫の関連本、そして井上靖の本を読んでみようと思いました。
 
 

コメント

エカチェリーナ2世!

おお、私の大好きな人ではないですか! エリザベス1世の次に好きな人ですよ。小野理子の「女帝のロシア」とかRobert K. Massieの「Catherine the Great」とか夢中になって読みましたよ。

井上靖ですか、メモメモ。

しかし、ピョートル3世も大変ですね。ドイツから従妹を嫁さんにもらったら、殺されるわ乗っ取られるわ。最近、それほどひどい人じゃなかった説が出ているようですよ。ピョートルの方に。

超部分反応でした。

Re: エカチェリーナ2世!

柊ぽん、こんにちは。

> おお、私の大好きな人ではないですか! エリザベス1世の次に好きな人ですよ。

おお!そうなんですか。
日本では(?)なぜかあんまり有名じゃないですよね。
私はてっきり、男がいないので仕方なく帝位についた女の人、かと思っていました。とーんでもなかった。

> 小野理子の「女帝のロシア」とかRobert K. Massieの「Catherine the Great」とか夢中になって読みましたよ。

ほんとに好きなんすね^^
Catherine the Great のレビューを読んで、面白そうだなーと思いました。しかもKindle版が安い!
池田理代子さんの「女帝エカテリーナ」も面白そうかなと思っています。

> 井上靖ですか、メモメモ。

ひとすじ縄では行かないが、魅力たっぷりな人物として描かれています。

> しかし、ピョートル3世も大変ですね。ドイツから従妹を嫁さんにもらったら、殺されるわ乗っ取られるわ。

踏んだり蹴ったりという言葉がこの人以上に似合う人もそうはいないでしょう。

> 最近、それほどひどい人じゃなかった説が出ているようですよ。ピョートルの方に。

Oh, poor Peter...

> 超部分反応でした。

ありがとうございました^^

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