怖い さくら

 
(下書きで書き溜めていたものをアップしています)

Huluで、松本清張原作の1965年の映画『霧の旗』を見ました。

山田洋次監督、滝沢修・倍賞千恵子主演。

何度かテレビドラマ化されている作品です。一言で言うと、一流弁護士が若い女の人に逆恨みされて破滅させられる話。まったく気の毒な話です。

若い女の人が、強盗殺人に問われている兄の弁護をしてほしいと、熊本から東京までわざわざ頼みに来ます。

先生は一流の方とお聞きしました。お金はそんなに払えませんが、何卒お願いしますと。

弁護士さんのほうは、忙しいし、熊本は遠いですし…と、丁重に断ります。

至極もっともな話です。なのに復讐されます。ふんだりけったりです。

後年、寅さんシリーズで優しい妹の さくら を演じる倍賞千恵子が、復讐鬼を演じるところが見ものです。

対する一流弁護士役は滝沢修で、風格ある素晴らしい演技を見せています。こんなにいい人が突き落とされる・・・ 松本清張は容赦がありません。

弁護士さんは悪くなく、女の逆恨みのほうがひどいと思うのですが、女が勝ち誇るラストシーンには、見ているこちらにも爽快感がわき起こり、おかしな感じです。

取り澄ました上流階級も、一皮むけばうす汚い欲望のかたまりであり、無力に見える田舎出の女の子が見事ひきずりおろすプロットが痛快で、魅力を感じさせるんでしょうかね。理不尽なんですけど。

だとすると、弁護士役はあくまでも上品で威厳があって、女のほうは素朴で虫も殺さないような雰囲気がいい・・・ 滝沢修・倍賞千恵子の配役は、とても成功していると思います。
 
 

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